割型ヘッダーで製造したステンレス製ピン

自動車

「これまで依頼していた製造先が廃業してしまったため、代わりに自動車・バイクの部品に用いるピンを作って欲しい。」

このステンレス製ピンの開発・製造担当者の萬世にインタビューした内容を紹介します。

今回ご依頼のあったこのピンは形状自体はシンプルなものですが、製造には手を焼かされました。問題となったのは材料のステンレスです。ステンレスは抗張力が強いためロールやコロの焼付きやバッチの耐久性等、不具合が出る恐れが数多くあり安定した生産ができない可能性がありました。

不具合のリスクがあったので気が引けたのですが、それでも引き受けることを決断したのは「朝日さんしかいない」とご相談いただいたからです。古くからお付き合いしている会社様ということもあり「何とかしたい！」という気持ちでいっぱいでした。

完成当日、形状は問題なく実現できていましたが、金敷を通常より相当強い力で締めないとステンレスの抗張力により開いてしまうようでした。やはりステンレスの抗張力には計り知れないものがありました。機械のメンテナンスや調整を行うことでご依頼いただいた5サイズ4,000本の製造を完遂することができました。

製造後の機械のメンテナンスはとても大変だったので「できればもう二度としたくない！」と思いましたが、今振り返ってみるととても勉強になりました！その分思い入れのある加工となりました。