01.ごあいさつ
社会を豊かにする企業と共に歩むもの造り
第一次世界大戦が始まった大正3年、前身である後藤製作所を初代 後藤増次郎が設立し、昭和・平成の激動の時代を駆け抜け、朝日押捻子製作所は2014年に創業100周年を迎えました。
ねじにまつわるお客様の課題を汲み取り、時代の変化に合わせて自らも変革を積み重ねたからこそ現在があると考えております。
そして、創業当初から変わらぬ理念、「社会を豊にする企業と共に歩むもの造り」を胸に、新たな100年を歩みだします。
02.100年の歴史
100年の歴史
創始
現在の朝日押捻子製作所の前身
後藤製作所の創業
第一次世界大戦が始まった大正3年、朝日押捻子製作所の前身である後藤製作所を初代後藤増次郎が設立。
当初は箪笥などの飾り金物の製作から始まりましたが、その後販路の拡大と共に各種のねじを造るようになりました。
苦難
第二次世界大戦勃発
鉄材の入手が困難に
昭和に入り徐々に戦雲たなびき、第二次世界大戦が勃発。次第に鉄材をはじめ材料の入荷が困難になり、1943年には後に二代目となる良晴も召集され満州に出兵しました。
再生
朝日押捻子製作所 誕生
二代目良晴が戦地満州より帰国。翌年の1947年2月に初代の社業を受け継ぎ、社名を朝日押捻子製作所に変更して事業を再開いたしました。
しかし終戦直後のこの時代、物資も十分には確保できずスクラップを集めて神戸製鋼所に持ち込み、線材に変えてボルトを造る苦難の日々を送りました。
拡大
最新の冷間圧造技術を導入
12mm・16mm径の冷間圧造ボルトの製造に成功し、業績は順調に拡大していきました。
また昭和30年には設備の拡大・発展に対応して本社工場を東大阪市川俣に移転。次々に用地を買収して成長していきました。
躍進
世界有数の量産工場の完成
昭和35年授権資本金1億円・払込資本金2,500万円の株式会社朝日押捻子製作所に改組。そして新工場建設により、さらなる拡大を図りました。
新工場建設にあたっては従来からお取引をいただいていた、大和ハウス工業の当時の最新技術「鋼管構造」を用いた世界有数の量産工場が完成しました。
世界
大阪から全国、全国から世界へ
払込資本金を5,000万円に増資し、関東・中部・近畿・岡山・下関・九州にも代理店を置くと同時に、確立された高度な技術と東洋一の生産量を持って東南アジア・中近東諸国をはじめ、遠く南北アメリカ・カナダやヨーロッパ諸国に進出していきました。
そして昭和39年、東京オリンピックが開かれたこの年には新入社員が一挙に80人入社。2014年の今なお現役の社員もおります。
逆境
大量生産だけではなく、
ニーズに応えた高品質製品造りへ
昭和48年、変動相場制への移行に伴い、日本の輸出産業の花形として貢献してきたねじ業界も大きな影響を受けました。さらにオイルショックという世界的不況に突入し、これまでの大量生産でだけは生き残れない時代に。
朝日押捻子製作所は、あらゆるニーズに応えると同時に、完璧な品質管理とバラつきのない安定した製品造りに力を注いでいきました。
また、後藤良晴社長は日本ねじ輸出協力会の会長を10年にわたって務め、業界の発展に貢献してまいりました。
先駆
ITによる合理化に着手
創業当時から一貫して国土建設から機械工業、そして日常生活に至るまであらゆるニーズに対応するということは、同時に非常に煩雑な事務作業を伴いました。
これらを非常に簡素に且つ正確にするため、昭和53年にコンピュータを導入。合理化に取り組みました。
発展
トルクシャー形高力ボルトの開発作業現場の省力化に貢献
トルクの締め付けを忘れないようチェック可能なトルクシャー形高力ボルト「ATSボルト」の生産を昭和55年より開始。作業現場の省力化に大いに貢献しました。
さらに同年、木造住宅優良接合金物推進協議会の承認工場にもなり、木造住宅の品質向上にも貢献しました。
変革
スタンダードからユーザー目線へ
1995年1月17日の阪神淡路大震災に伴い神戸製鋼の高炉(溶鉱炉)が損壊し、企業存続も危ぶまれる状況に陥りました。直ちにねじ業界にも影響が波及し、「大阪でねじが造れないのでは?」など、様々な憶測から輸入ねじが増えていきました。
復興後、いったんは輸入の流れが落ち着いたものの、輸入ねじの増加は確実であると見越し、スタンダードな大量生産から「真にユーザーが求める品質・要望に応えるもの造り」に取り組みました。
新たな100年を創る
他所(よそ)に真似のできんねじを作ろう
ロットは少なくてもかまわない。
少量多品種、結構じゃないか。
要望を100%叶えるべく、いかにコストを抑えて実現するか、皆で一緒に考えよう。
ここに朝日押捻子製作所の存在価値がある。
お客様とともに、うちでしか作れないねじを創ろう。
私たちは、そう考えています。
その想いを実現するためには、柔軟かつ正確な体制が必要です。
日々変化する線材の価格に対応し、高品質な材料を安定的に仕入れる体制と検査システムを導入。平成21年にはISO9001、2008登録審査認定を取得し、材料から製造技術、品質まで、徹底的に管理を行き届かせています。
いきいきとしたモノづくりができる日本を願って
ねじだけでは何もできません。締結するモノがあっての我々なのです。
「鉄は産業の米、ねじは産業の塩」の観点から、製造業がいきいきする日本を願い、縁の下の力持ちとしてねじ造りに励んでおります。社会全体を結びつけ支える企業として、新しい100年を歩んでまいります。